昼休みなんて20秒

 灯油をタンクに入れていたら、大工さんが来た。台所の床が、踏んだときに所々、へこむのだ。張り替えるはなしだったが、大工さんのお母さんが亡くなり、延期していたのだ。話がすんで、山へ、しきみを取りに行った。墓参りに行くだろうから。
 そのまま、彼の車で畑に行った。白のワゴンなので、ばあちゃんは「迎えに来てくれたん?」と言う。デイサービスの車と間違えている。「違うよ。デイじゃないよ。」小屋に移動して、ジュースを飲ませた。休憩のあとは、また草引きだ。大工さんと私は、じゃがいも堀りとか、野菜の収穫をした。花も取って、大工さんは帰った。
 私がごはんをたきに家に帰ると、ばあちゃんは、早々と帰って来た。呼びに行かずに帰るなんて、初めてだ。まだ11時30分。ごはんはたけていない。おやつとお茶を出して「ごはんをたいている。待つ」とメモに書く。これ以上詳しく書くと、わからないから。
 でも、待てない。トイレと部屋を往復している。ごはんがたけたので、ばあちゃんの部屋をのぞくと、あら、いねむり中。
 ごはんを食べて「昼休み」と言うと、3分もたず行こうとする。「じっと しとったら 怒られる」と言う。行ってしまった。