トマト

 またまた、運悪く、ばあちゃんのポケットからトマトがのぞいている。普通の大きさのトマトだ。うちはミニトマトしか植えていない。それも、まだじゅうぶんに赤くならぬうちに、ばあちゃんの胃袋におさまってしまう。
 今日は、他の人の畝のそばまで草を引きに行ったから、他の人のトマトまで見えてしまったのだ。いい形のを2つも取って、ポケットに入れている。しかたない。明日は皆に「ばあちゃんが食べてしまったら、ごめんね」と謝ってこよう。
 これだって、取ったときに、口に入れてしまえば、誰にもわからずじまいなんだよ。ポケットに入れるから、ばれてしまうのだ。