がさがさ

 朝、ばあちゃんが、デイに行く前がひまで、退屈で、家の中をうろうろしていたときのこと、台所で、ガチャガチャ、ガチャン!と音がする。行ってみると、ばあちゃんはコップを棚にのせようとしていた。「台所に来ると、冷蔵庫を開けたくなるから、部屋にもどって待って」と言って、追っ払った。
 あとで、気がついた。流しの前に来て、窓ガラスを閉めていたのだ。窓にはアルミの格子が入っているし、網戸になっているので、いつも、開けてあるのだ。
 開いていると閉める、道具を置いていると、場所を移動する、いつも見えた物をいじらねば気がすまないらしい。じつに、こまめに動いてくれる。