このたびの「すごいメンバー」

 まるちゃんたちが、風曜日の三次会で語り合った「すごいメンバー」の話。
 「そう言えば、このメンバーに、Mはおらんね。XLからSSまで、すごいメンバーやね」と言い合ったのだって。それで「Mって、何?」と聞くと「普通の人はおらん」と言う。「普通なら、ノーマルで、Nでしょ」と言うと、「Mや」と言う。まるちゃん、それは「Mサイズ、つまり並み、中くらいのサイズ」でMよ。普通か?異常か?ではなく、中ぐらいか?超特大か、ミニサイズのように、うんとかけ離れているか?の問題よ。
「それで、基準は何?」と訊くと「おもしろ度、変わり度、すごい度」なんだって。
 
 ではまず、まるちゃんたちの分析を聞く。
+つよしお父さんとお母さん  「おもしろ度」で3Lぐらい。「お父さんがトイレに行ってる間にご飯、食べよ」とか、「お父さんと大げんかしたんですぅ。『お父さん、言うこと、きいてくれないんやったら、首、しめて殺す』と言うあたり」「それも、あのお母さん、そんなこと言いそうに見えないでしょ。なのに、言う!というところがおもしろい」
+側さん  もちろんXL(エックスエル、特大)。「すごい度」「安心度」でXL。今回の企画では、納得いくまで下見を4回もしてくださったのだって。「どうやったら楽しんでもらえるか」という発想がすごい。つよしお父さんとお母さんの金婚式の話だって、たぶん、おーろら号の中での会話を聞いていて、さっと「鶴のつがい」の置物をお祝いに買いに走るという、気配りとサービス精神。
+高橋ガイドさん  「研究熱心度」「プロ度」でXL。サービス業のプロ。7日の夜、さくらちゃんで泊まったときに見せてもらった地図に改めて感心する。これはバスの運転席の後ろに貼ってあったもので、説明のとき「皆様、こちらをごらんください。窓の外ではなく、私の手です。今、ここ、走ってます」と言われた、あの地図だ。ライフパス社の発行の「北海道観光バス路線図」だが、北海道の島の形を後ろの席からでも見えるように、緑色にぬってあるのだ。右側の上方に「ドライバー 小林正一 ガイド 高橋早苗」と書いてある。
1日目 83km 2日目 330km 3日目 182km と書き込んである。余白にはオレンジ色のクマ、牛、カニが書いてある。こんなすごい地図だったのか。毎晩、宿で、その日の走行距離を書き加え、作ってくださっていたのだ。それなら、バスの乗り降りの時に、もっとよく見て、感謝の言葉を述べておくんだった。気づかなくて、ごめんなさい。
また、私の思うには「サービス精神」で言えば、高橋さんはときどき、嘘かまことかわからん冗談を言う。たとえば「私のペット」の話のように「ほんと?」と思って聞いていると「え?うそー!」と思うような展開になる。これはたいていは高橋さんの「失敗談」になっていて、「他人の失敗は聞いていて楽しい」のごとく、お客さんは喜ぶし、他の人を傷つけない、すごいサービス精神だと思う。
+小林ドライバー  「プロ度」でXL。いつもにこにこ、車椅子の乗降が抜群。すごいんだよ。
+まゆみさん  「どうやったら笑ってもらえるか」については、まゆみさんが「お父さん、若い人よ。ちゃんと抱きしめてね」と声をかけていた。「すごい!」と言うと「いつも、どう言えば笑ってもらえるか考えて仕事してるからね」と言う。これも「プロ度」に入るの?
+かよこさん  「プロ度」抜群だと思う。今回はいろいろ教えてもらった。
+すもも   私は「ほの香」に行ってみたかった。安永さんがいつも嬉しそうに言うところだから、設備も見たいが、それよりも中で働く人がどんな表情をしているのか、じいちゃん、ばあちゃんがどんな顔をしているのか、を見たかった。静かで、おだやか、のんびり、くらしているような気がした。ばあちゃんみたいに「どないするのん?」と言いながら職員について歩く人はいないように思えた。ばあちゃんはのんびりなどしてない。「たたかうおばあちゃん」で、毎日、草とたたかっているようだ。まるちゃんが「介護は人の人とのかかわり、自分とのたたかいやからね」と言う。あ、あかん、私、自分とはたたかわない! SSに行かず、サイズ無し!
+岡村さん   XL。先生だからね。まるちゃんが「学生のもってる力をひきだすプロだ」と言う。つどい場さくらちゃん主催の講演会に、自分が教えている学生さんを連れてきたことがあった。その学生さんは、もうすでに、社会経験を重ねてきて「介護職になるのだ!」という気合充分の人に見えた。さすが、岡村先生の目のつけどころはすごい。でも、岡村さんは「おもしろ度」も抜群だと私は思う。発想がとてもユニークだし、相手が「えっ!」と思うようなことをやってのける。
+いっちゃん  XL。私は「おおものだ〜!」と思う。「すごい度」XLなんじゃないの? それに「気配り」「研究熱心度」もすごい。
+いとうさん  まるちゃんが「学び度XL」と言う。二次会にもきちんと参加しておられて「すみませんね。お部屋をお借りして、おさわがせして」と、まるちゃんが言うと「いえいえ。私らは、利用するだけで、自分のことしかわからないので、聞いていると勉強になります」と言われる。若い者から見れば、人生の先輩として、お手本にしたいと思う。
+レーサー君  XL。私は、以前、講演会のあとのさくらちゃんでの二次会で彼と出会った。その時は、にこにこして私の毒舌を聞いていたので、「何をしている人かな?」と思っていた。今回、まるちゃんに教えてもらった。カーレーサーをしたいというのが本懐なんだって。彼は「同じ病気やハンディを持つ人だけが集まる会は嫌いだ。僕は、いろんな人がいる普通の社会で生きていきたいし、そういう仲間と旅行に行きたい。..ばっかりはあかん」と言って、今回の旅に参加したのだそうだ。すると「挑戦者」XL、ということになるんだろうか。
+まるちゃん  XLであるのは間違いないと私は思う。「分けられた分類の中では、学びも進歩もない」とまるちゃんが言う。それは去年も、よしながさゆり(自称)が「いろんな人がまじくった、こういう集まりがいいんじゃないですか」と言っていた。その時、私はまだその意味がよくわからなかった。確かに、まじくってはいたけど、車椅子を押すのは、いつも奥さんだったり...今回は、ほんとうに、できる人がさりげなく、てつだっていた。まるちゃんが「回を重ねると、進化していくよ」と言う。では、去年より進化したわけか、会として。
+安永道生さん   何といっても、今回は「安永道生が全行程、参加してくれたというのが最大の要因」と、まるちゃんが言う。そうなの?よくわからない。安永さんが大演説をするわけでもないし、特にバスの中なんか、おとなしすぎて、目立たない。なんで?と訊くと「介護の世界では、安永さんは超大物で、皆、彼から学びたいのよ。盗んでやろうと思っているのよ。彼がいるというだけで、みんなを動かすの」と言う。それはすごい。
去年の「旅」で安永さんに出会って...知ったこと「新鮮な牛乳を振るとバターになる。酸を入れるとチーズになる」介護の話は..「忘れた」
今回の安永語録は、知床グランドホテル北こぶしで「疲れた〜。ももちゃんが『露天風呂、行こう』というので、3回。入浴介助を2回。もともと、風呂、好きじゃないんで、もう、疲れた〜」 じゃがいも館で「ここのいももち、おいしいわ。でも、さっき、硫黄山で、いももち2つも食べたんだよ。ももちゃんとおふくろに買ってやったのに、食べなくて、その2つとも食べたんだよ。やめればよかった。ここのほうが、ずっとおいしいわ」
 安永さんに会う前は、ききたいことが山ほどあった。なのに、向かいあわせでご飯を食べていたのに、きかなかった。もう、どうでもよくなってた。「旅」に夢中になっていたのだろうか?