サル

 それで思い出した。もうずいぶん前のことで、何時かは思い出せないが、郵便局に行った時のこと。私は名塩の真ん中の郵便局に行くために、国道で信号待ちをしていた。信号が青になったので、渡り始めた、ふと、右横を見ると、ニホンザルが渡って行く。それが「私もこの町の住人です」と言う風情なのだ。ごく当たり前に、さりげなく、しかも堂々と渡って行く。次にはその横断歩道を渡りきって、橋の上の歩道を右向いて去って行った。