何時まで「迎え」を待つか?

 つどい場さくらちゃん「芋掘り・有馬温泉ツアー」だが、朝から雨だ。かなり降っている。やみそうにない。しかたない。ばあちゃんがまだ寝ている間に、合羽を着て野菜を取りに行った。大根、丸大根、人参、菊菜の間引きだ。それと、昨日のうちに取った富有柿。
 家に帰ると、ばあちゃんがいきなり、台所の戸口からのぞいた。服の背中に水滴がついているから、玄関から外に出たのだろう。そのまま、トイレに行かせて顔を洗い、お経もご飯もすんだ。部屋に戻ってから、何やらごそごそしていたが「かばんがあらへん」と言って来た。さては「デイ」に行きたいんだな。何故だ?昨日は4時ごろから畑に行って、別に疲れるほども働いていないではないか。「家にいるのに、なんでかばんがいるの?」と言って、部屋に戻す。また、やって来る。 新聞を見せて「読んで」と言うと「10月29日、土曜日」と読む。「土曜日は?」と訊くと「土曜日は休みか?」と言うのだが、すぐに忘れてしまう。また「迎えに来るのんちゃうか?」と言う。メモに「休み」と書いてやれば納得するかも知れないが、温泉に行くのだから「休み」と思い込むのもまずい。まぁ、この際、何時まで迎えを待つか、試してみてもいいかも?
 10時になった。さくらちゃん一行は西宮総合福祉センターで集合して出発したころだ。ばあちゃんはまだ、迎えを待っているらしい。昔は「行くんちゃうか?」と言っていても、9時半を過ぎれば「今日はもう来ない」とあきらめて畑に行っていた。今は、時間の感覚が狂っているから、まだあきらめない。
 11時になった。「出かけるよ」と言って着替えさせたら「おはよう〜」と、まるちゃんが迎えに来た。「さあ、バスに乗るよ」と言うと、いつものデイの送迎ワゴンではなく、30人も乗れるマイクロバスなのに、平気で乗り込んだ。
 ばあちゃんは前の左側の一人がけ席だ。私は前の右側の二人がけ席で、朝のあいさつと芋掘りの説明をする。田んぼの芋を掘るので、家の西側のゴルフ場の道路を上がる。右側に田んぼが見えたところで皆、降りた。バスはそのまま、Uターンできるところを探しに行った。