有馬温泉

 これから有馬温泉に行く。ばあちゃんは前の席だ。通路をへだてて、まるちゃんがいる。私は「あんたは、離れて座り。一緒にいると、親子喧嘩するから」と言われて、後ろに移動した。あいた席が多く、広々している。
 ばあちゃんは「どないしますのん?何にもわからしません」と言う。まるちゃんが「大丈夫よ」と手を握っている。これの繰り返し、延々と言っている。
 有馬に着いた。さすが、土曜日、観光客は多い。「金の湯」の前のレストランに入る。鍋料理を注文した人、お寿司の人、これもいろいろ...ばあちゃんはオムライス。このときも「ばあちゃんから見えない所に座りなさい」と言われて、ばあちゃんのお守りは千代美さんがしてくださった。
 すんだ人から順に「金の湯」に行く。私は、せっかく有馬に来たから、竹細工のくつわさんに行った。金の湯に行くと、ばあちゃんは、まるちゃんに洗ってもらっていた。お湯からあがったのは同時だった。外に出るとばあちゃんが「お母ちゃんが来た」と言っている。私は隠れて、一人、アイスを食べていた。あはは、お湯あがりのアイス、おいしいよ。