「しゃべれるだけ幸せ」

 ばあちゃんのご飯がすんだところで、先輩から「出てきて」と電話があり、ばあちゃんを連れて喫茶店に行った。ばあちゃんはデイサービス気分で「そうかぁ、綺麗なとこやな」とか「これ、何や?」と言いながら植木鉢の観葉植物を触ったり、紅茶を飲んだり、ご機嫌だった。
 先輩は「うちのおばあちゃんは、もう言葉を失ったよ。おたくのばあちゃんは、まだしゃべれるだけましよ」と言う。