「食事、出まんのんか？」

　ばあちゃんは１０時から「食事は？」と訊く。「朝ご飯は食べた。昼は１２時」と言うと「食べてへん」と言う。そんなのは、無視する。何回も食べさせる必要はない。
　１０時４５分、ばあちゃんは応接間にやってきて「食事、出まんのんか？」と訊く。口はくちゃくちゃ、何か、食べている。台所に行って、冷蔵庫を開けたが、入っているのは、ばあちゃん用のジャムの小びんが２つと、伊予柑の皮の甘煮だけ！あとは調味料だけだ。これで「あれ？食べる物がない。大変だ」と思ったのだろう。
「ばあちゃん、ここ、ばあちゃんの家やから、ご飯は自分で食べ！」と言うと「知りません！」と言いながら向こうへ行ってしまった。まだ「お泊り気分」らしい。