便秘

 今日からステイだ。ばあちゃんが起きないうちに洗濯物も干した。ばあちゃんを起こしに行って、台所まで連れて来て「ねま着、ぬいで」と言ったときのこと、ばあちゃんのおなかが、ぺったんこ!しわしわ! 反対に、下腹部はぽこんと出ていて、何?これ?おなかの中身が全部、下へ移動した?大変!!! お医者さんに行かなきゃ!
 ステイの担当者に「お医者さんに行きます」と電話をかける。夫のトラックで行く。ばあちゃんだけ助手席に乗せて、私は畑を通り、歩いて行く。「緊急!」と言うと、看護師さんがすぐに呼びに来てくださった。問診で、先生に話していると、ばあちゃんは「ここ、わしの名が無い」と言う。先生の机の上に立ててあるカルテの中に自分の名前が無いと言っているのだ。「ばあちゃんのは、今、先生が字を書いているでしょ。これよ」と机の上に開いたファイルを見せる。
 先生は、おなかに聴診器をあてる。「ベッドに横になってくれるかな?」と言われた。おなかを順に押して行くと「痛い」と言う箇所もあるが、大抵は無事だ。先生は「便秘じゃないの?」と言われた。えーっ!そんなぁ〜...でも、そうかも知れない。「今日からステイなんですけど...」と言うと「大丈夫でしょう。とりあえず、水分補給ね」と言われた。何か検査するなら、と思い、食事抜きで来た。はぁ、拍子抜け...
 廊下に出てベンチに腰掛けると、ケアマネさんまで来てくださった。「通報が行ってるんですか?」と訊くと「ステイから連絡があった」そうだ。こんなとき、同じ福祉センターなのでありがたい。「びっくりした〜。便秘ですって」と言うと「では、これからステイに行きましょう」ということで、連絡して一緒について来てくださった。ケアマネさまさま。
 着いて「朝ご飯も食べてません」と言うと「何かある物を食べれば大丈夫です」申し訳ないです〜。帰って便秘に処方された薬を持って出直して来た。預かってくださって助かった。
 あわてんぼうの私は「あ、これって、入院?では、大きい病院の診察券と保健所。着替えはステイ用のかばんにある。財布。同窓会は...もう出席者名簿は幹事に送ったし、私がいなくてもできる...」と計算したではないか!
 考えてみれば、ばあちゃんはおなかがぺったんこのわりには、機嫌が良いし「痛い」と言わない。子供なら「様子をみる」わね。それで「大丈夫」とわかったはずなのだが、私も、あいかわらずの大げさねぇ。やれやれ。ついでに先生に「朝、起きてこないので、見に行ったら、死んでた、というときは、どこに連絡すればよいのでしょう?」と訊いておけばよかった。不謹慎?