お帰り

 ステイから帰ったばあちゃん、「怒られへんか?すもも おったわ」と言いながら家に入る。「久しぶりに名を呼んでもらったわ」と私が言うと、スタッフのお兄さんが苦笑い。「今回はちょっと機嫌が悪くなるときがありました。お通じはわかりません。でも部屋の洗面台でパンツを洗ってました」それは、うんちを失敗したので、洗ったのでしょう。ま、便秘がなおったのなら、安心。
 私達が話しているまに家に入ったばあちゃんは、テーブルのおやつをみつけ「おいしぃわ」と言いながら食べている。「服、着替えて、畑、行くよ」と言うと「ここで泊めてもろてもよろしぃか」と言う。ずこっ! 新喜劇の世界だ。思わず、ずっこける。今さっき、私の名前を呼んだ、と思って「今日はわかってる」と思うと...とたんに「泊めてもろて」とステイの世界。乱気流か?
 夕食のとき、ばあちゃんの顔を見ていると、ばあちゃんも「ここはどこ?我が家ではないらしい」と思っているらしいが、私も「ばあちゃんは昨日のばあちゃんではない。別の人になってしまった」不思議な気持ちに襲われる。「世界が引き裂かれる」ような...