人間国宝 つづき

 3月に名塩手すき和紙の谷野さんの工房を訪ねたが、今日は借りていた見本の紙を返しに行った。今日は離れ、というか、お茶室に入れてもらった。天井は竹を組んであって、見事だ。畳やをしている弟に見せたら喜ぶだろう。
 名塩和紙を貼った金・銀の屏風や掛け軸など古いものから新しい物までいろいろ見せてもらった。200年たっても、虫に食われていない。強さの秘密は名塩でとれる土を砕いていれてあるから。
 夫は知人に頼まれて和紙を分けてもらっていた。
 いろいろお話をうかがうと、谷野さんのご先祖も私の祖母も同じ村の同じ姓の親戚筋から嫁いできたのだそうだ。今は親戚つきあいをしないほど薄いらしいが、それでも、人間国宝のかたと祖先は同じ親戚だ、と訊くと、名誉なことだと思い、嬉しくなる。