朝ご飯のあと、台所に鍵をかけて中に篭っていたら、ばあちゃんが走り回って開けようとする。2箇所ある出入口を移動しながら、ノブをがちゃがちゃする。危ない。まさか、こわれはしまいが...家の外から洗濯場に入る入口にも施錠した。勝手口と言うかな? そんなたいそうな物じゃないけど...やっぱり、ばあちゃんは玄関から出て勝手口に回って来た。知っているんだ。 でも開かない。次は裏口から入り、小部屋を通って、また台所の入口に来た。ばあちゃんが離れるのを待って廊下に出てみると、ばあちゃんはやって来た。
「待っとったらよろしいんか」ときく。それで必死になって開けようとしていたのか。「今日はななくさ行きか?」と言う。「行かないよ」と答えると「そんならいつ行く?」と訊く。「行かない」と教えると必ず「いつ、行く?」と訊く。行きたいの?「行かねばならない」と思っているの?「ほかの人が行くなら、自分も行く」と思っているのかも知れない。一人にしておくと「さみしいわ」と言っているから。
 しかたないので「今日は行かない」とメモを書く。「寒いから畑にも行けない」と書くと、なんと「ななくさ行き」を忘れてくれた。助かるもんだ。
 ほっておいて(夫にまかせて)畑に行った。帰るとばあちゃんは居眠りしていた。お疲れなんでしょ。