夫がいないので、犬を連れて水を見に田に来ている。(つまり、往復の山間の道を歩きながら携帯メールを書いている)
 水は「ころあい」だ。温泉の湯加減みたいな言い方だ。上の人の田は、落とし口からザーザー落ちている。わらくずなどの浮遊物も落ちて行く。温泉じゃないんだから、かけ流しにしてどうする?肥料分まで流れて、もったいない気がする。水の無い去年なら考えられないことだ。
 水は良いとして、畔を歩いてみたが、今日は足跡が無い。昨日は獣が来なかったのだ。夫が「誰かが散歩に来て犬を放したのだろう。犬は喜んで畔を行く。帰りがわからず、ずーっと行ったんやないか?」と言っていたが、うちのピーわんこは畔の草の上を歩き、生き物がいたら食べてやろうと考えているが「塗り畔」なんかに乗らない。試しに右前足を持って足跡をつけてみたら、キャンと言い、爪痕がつかない。つまり、こんなふうに、どの田もどの田も端からごていねいに歩いているのはえさ探し。野性の生き物に違いない。ピーわんこもえさ探しは好きだが、飼われわんこの道楽で、あっちへふら〜、こっちへふら〜。しかも私が急いでいるときはさっさと歩く。