施設見学

 夫が施設見学に行った。奈良市社会福祉法人奈良市和楽園」と言う。「和気あいあいとしたお年寄りの楽園です」とパンフレットにある。
 ここは歴史の古い施設だが、現在の建物は平成になってから建築されたものである。建物はコの字型で中庭があるおかげで、どの部屋も明るい。ここを見学して真似して建てたような施設に以前に行ったことがあるそうだ。モデルだね。
 「特別養護老人ホーム介護老人福祉施設)定員84人」「養護老人ホーム 定員150人」「ケアハウス 定員30人」「デイサービスセンター 1日に25人」「ショートステイ 16人」「居宅介護支援事業所」という内容だ。
 夫が言う。「どの部屋も見せてくれたが『ここに、うちのばあちゃんを入れたら、どうなるか?』という視点で見ると、まず、受け入れてもらえないな、という結論になる。ばあちゃんのような、体が元気で、訳がわからず動き回るタイプは病院に入っているみたいだ」そうだろうか?
 でも、見学に行く度、そういう視点で見る人、というのも、少ないだろうね?つまり「手のかかる認知症の人に対応しているかどうか」ということ。中には「入所の基準」に「徘徊する人は不可」というところもあるぐらいだから。「徘徊する人」ほど入れてほしいんだよ。家族は疲れ果てるんだから。入れてもらって「助かった〜」と思った人が、また症状が進み「寝たきりになったから、家に連れて帰る。ご飯とおしめを換えるだけだから世話できる」と言う場合もある。
 もう一つ、夫が印象に残ったのは「ホールに仏壇があり、今までに亡くなった方のうち、引き取る身内の方が無い場合や、あるが「分骨してもよい」といわれる方の分がまつられている」ことだそうだ。