「明日の記憶」のつづき 評判

 評判は良いのだ。先に夫妻で見に行った同級生が「良い映画だった。夫も感動していた」と書いていた。近所の若い飲み友達も、串かつやのマスターに「二人で行き!3回、泣くでぇ」と薦めていて、マスターも「そうか。行くわ」と言う。
「3回、泣くで」は、なんとなくわかった。この人たちは「夫婦の愛情」を見ているのだ。それがテーマで映画を作ったのだろうか?それなら、よく描けていたのだろう。が、意図としては足りない気がする。「家族の愛情」や「献身」で介護ができるなら、介護保険はいらない。やはり時代に即して、考えねば、見た人が「アルツハイマー病になったら、大変だ。家族が大変だ」と思ってしまう。
 もう一つは、前にも書いたが、病気になると、とたんに謙さんの表情が暗くなり、見た人が「もう、何もできないのか?」と恐れてしまうことだ。もっと、何かあるはずだ。
 この二つが惜しい。