「あんた、行ってきて」

 昼寝して起きたばあちゃんに「畑、行くよ」と言うと「あんた、行ってきて」と言う。あれまぁ。行くの、嫌になってる。夫が「置いとけ。見てるから」と言うので、置いて、水かけに行った。夫から「今、家を出たぞ。溝に入って草を引いてるぞ」と電話が来た。待てどくされど、ばあちゃんは来ない。水かけは終わった。畑のおじさんと話していると、あれ、ばあちゃんが来た。藪のほうから上がってきた。ばあちゃんはまっすぐ行く。にらんだら、ふと目が合って、私の方を見たが...また下に下りて行った。 にらまなかったら?ななくさに行っていただろう。
 しばらくして、家に帰ってみると、ばあちゃんはいない。犬を連れて迎えに行くと、梅の木の下で草を引いていた。さっき、私が通ったときは見えなかったので、どこかの木の下にでももぐっていたのだろう。「晩ご飯」と言いながら連れて帰って、昼に作ってもらったお弁当を食べさせた。「お風呂」と言って、服を脱いだのを見ると、首の後ろを蚊に食われていた。木の下はやはり蚊がいるよね。「虫さされ」の薬を見せて塗ってやったら「痛い!」と言う。ひっかいたからしみるんでしょう。終わってみれば「波乱万丈の日」だった。疲れておやすみだ。こんな日は、おしっこの失敗が無い。