渋柿

 雨の水曜日、一日家にいたばあちゃんは、あちこちごそごそ、しまいに廊下に並べていた渋柿の平核無柿まで食べてしまった。ベッドの枕元にちり紙にのせて置いているのが、上から4分の一ぐらいかじってあった。「ばあちゃん、渋柿まで食べて、どうすんの?わからへんの?」と言っても...「食べてみぃ」と言うと、なんと、手で小さくちぎって口に入れた。顔をしかめるでもなく「おいしいです」と言う。おべんちゃら言ってどうするねん?しばらくたつと、飲み込まずに出してきた。ということは、やはり「甘くはない」