おばちゃんの法事のつづき

 今日はばあちゃんの姉さん一周忌だったので、夕方、孫がお供え物を持ってきてくれた。孫は男の子が二人いて「僕、次男です」と言う。なんと、幼いころの顔とは変わってしまっていて、わからなかった。でも、お父さんそっくりだ。「ばあちゃん、いるよ」と言うと「え、そうですか。ちょっと会っていこう」と言いながら家にあがってきた。まず、ばあちゃんの部屋に行くと、おばちゃんに老人クラブの沖縄旅行に連れて行ってもらったときの拡大写真が目に入る。来た人はよく「4人姉妹ですか?」と訊くがおばちゃんとばあちゃんが姉妹で、あとは姉の子だから姪だ。その姪の一人がうちの近所にいる。次男は「あ〜、おばあちゃんや」と言う。ばあちゃんが77歳の喜寿の記念だったので、拡大写真にして額に入れ、おばちゃんや姪達にも配った。おばちゃんはばあちゃんよりも10歳上だから、87歳かぁ。おばちゃんはまったくぼけずに97歳で死ぬまでしっかりしていたなぁ。姉妹でも何で違うんやろ?
 ばあちゃんは?喜んだ。次男が「おばちゃん」と呼ぶと「おぅ〜、よう、来てくれたなぁ、嬉しいわ〜」と言いながら、手をつないで応接間に移動した。「おばちゃん、僕のこと、わかってるの?」と私に訊くので「わかってないよ」と言うと、ばあちゃんは「よう来てくれた」の連発で「デイサービスのお兄ちゃんだと思ってるみたいやな」ということにした。まぁ、一緒にお茶を飲んだり、おやつも食べた。今日は好調だ。ばあちゃんがのんびり、自分の部屋にいて、お客さんが来た、という設定がよかったのだ、たぶん。ご機嫌だ。
 次男はうちの長男よりも1歳上で「この部屋に入ったのは、ずいぶん久しぶりで、まだ小さいころだった」とか「おばちゃんがうちに遊びに来たときは、帰りは僕が送ってきたよ」とか言う。そうだ、そうだ、ばあちゃんが姉さんに会いに行ったときは、ごちそうになったり、帰りは送ってもらったり、いろいろお世話になった。
 私も自分の子供のことを話したり、パソコンで作った手紙や写真入通信やらを見せると「すごい!」と言ってくれるので、ついに「つどい場さくらちゃん北海道の旅」の去年版を出してきた。ちょうど、のりを貼って製本の途中だったので、画用紙の表紙をつけてプレゼントした。「絵も上手ですね」と言うので「図工の先生が『馬の絵が上手』『先生、それは長男が描きました』『サケの絵がうまい』『それはパンフレットのサケを写しました。先生、私の絵はほめてませんよ』と言うと「いやぁ〜、あじがあるで』それはつまり『へたくそ』ってことよ。ま、ええか、笑えれば」次男は「あ〜、楽しかった。帰ります」と言って帰って行った。ばあちゃんは最後までご機嫌だった。