がんがん

 9時半に起こす。廊下の壁掛け時計を見せて「何時?」と訊くと「9時半」と言う。「寝すぎ!8時に起きなさい」「はい」と素直だ。本当は8時では困る。8時半が妥当だが、ま、いいさ。ご飯までは順調。「終わり!部屋に行って」と言うと行った。
 私は隣の応接間でパソコンに向かう。ばあちゃんが部屋を出た。これはゴロゴロっとまあまあの音。台所に行ってドアノブをガチャガチャ。すぐにあきらめて、ギギーッと応接間に入って来る。ここと下の間は敷居がきしんで音がする。夫が「蝋でも塗ったら、音がしなくなるやろ」と言うが「いいの。音がすると、どこの戸を開けたか、離れていてもわかるから」と言うと「納得」だ。
 10時18分。ばあちゃんは覗いて「ここにおらしてもろてもよろしぃか?」と言う。勝手に入って「けっこやなぁ」と言う。私がハロゲンヒーターをつけて首を振らしてやると「おぅ〜、ガンガンしとるわ」といつもの台詞。「おぅ、ぬくいな。あたらしてもらお」と言うから、暖かい物だとわかったみたいだ。おとなしくソファに腰かけている。いつまでいてくれるかな?