生きにくい

 お葬式の手伝いほど勉強になるものはない。同じ村に住んでいても、普段は顔を合わせることのない人達と会う。手伝いに来ているのは隣保と村の中の親戚の家の人で、合計10軒ぐらいなのに、40代から70代まで幅広い。話題もさまざまだ。
 男性は外にテントを張り、雨よけのブルーシートを張り、受付の用意をしたり、受付をしたり、片づけたり...女性は手伝いの人たちとお葬式の家の人たちと親戚の人たちの食事の用意だ。手作りの田舎料理を並べ、故人の祭壇の前で「別れの膳」をいただく。葬祭会社の人たちが「ここに来るとおいしいお料理が食べられる」と言ってくださる。地元の野菜も豊富に使われている。ほめてもらっても、普段の家庭料理はなかなかこんなにいろいろ作れない。皆でやるからだろうね。
 もっとも私が手伝いに行ったころには、もうすっかりできていて、申し訳ない。
 休憩コーヒータイムに、ばあちゃんが要介護4になったのを言って、今の宇宙人状態から認知症とはどんな病気かまで話した。慣れたものだ。あはは。でも、同じく認定を受け、デイを利用している人がいたし、老健に入った人もいて、私もびっくりだった。お葬式ほどためになるものはない。ほんとに一大事だ。