「夢遊病」と「もうすぐ宇宙に帰る人」の境い目

 お経のあと「ありがとうございました〜あ〜けっこうでございました〜」と大声で言いながら歩いてくる。台所に来て「だまって!」と言うと、一瞬真面目な顔になり、何事もなかったようにご飯を食べる。「ありがとう」と言っているのを、無理に止めてよいのか?止めたら真面目になる、つまり「現実に戻る」からかまわないのかも?
 また、にくたらしかった姑が老人ホームに入り、見舞いに行ったら「ありがとう」と言ってくれたから、といって、感激していいものか?ばあちゃんの夢遊病との差があるのか? まぁ、この場合、嬉しくて「長年の苦労が報われた」と思い、満足できるならそれもいいだろう。何事も自分が満足できればよいのかも知れない。