でけしまへん

 アイロンが終わった。ばあちゃんは自分の部屋に行ったが、時間がもたない。暖かいし、日も長くなった。畑に行くことにする。「歩けしまへん」と言いながら、畑に着いた。鎌と古いバケツを持たせる。私は網の中で、苺の枯れた葉を取り、根元に刺してある竹が浮いているのを突っ込む。例年なら、陰になる部分の土は凍っているのだが、今年は凍らない。
 ばあちゃんはむこうで草をちょっと引いては「でけしまへん。お母ちゃん、上手にしてやけど、わたし、でけしまへん」と言いながらやってくる。網に入ろうとするのを追い出す。しまいに向うで草を引きだした。畝のこちら側を引き、身を乗り出して向こう側も引いている。こちら側だけ端まで引いて、向こう側に回ればよいものを...ついに「帰ります」宣言!しゃがんで池の水で手を洗い、ふきもせずに、どんどん歩く。行きの遅さに比べ、帰りの速いこと!
 帰っておやつを食べさせたら4時半になった。今日は時計が読める。怒っていないときは読めるのかも知れない。「昼寝」と言うと、布団に入ったのに、寝ないで起きてきた。5時半に晩ご飯にして、お風呂に入ったら寝た。やっぱり外を歩くとよく寝るなぁ。運動不足はあかんのや。