散歩

 ばあちゃんは2時半に帰宅した。寒い、寒い。外に行くのはやめて、私は台所で折り紙の雛人形を折る。ばあちゃんは退屈して「4時40分です」と言う。本当は3時40分、1時間も見間違えている。間がもたない。散歩に行く。
 十字路までは、やけにさっさと歩いたと思うと、右折しかかる。「こっちやで。真っ直ぐや」と言うと怒り出す。「そんなほう、行って、どないします?役にたたしまへん」無理に歩くと「迷惑になる!」と、へ理屈を言う。「畑行きます」と言う。普段はこの道から畑に行ったりしないのに、何故だろう?行った先は留守だった。手紙を書いて「巨大ポスト」に入れる。猫小屋ほどもある郵便受けだ。巣箱みたいに地上2mにある。
 次に従姉妹の家に行く。従姉妹とご主人がいた。「ようお越し。まぁ、あがって」と言われ、茶の間に入れてもらう。ばあちゃんは「おっちゃん、せんど、みまへんな」(永らく会ってないね)とおべんちゃらを言う。それが、次に自分の姪にも「おっちゃん」と呼ぶからおかしい。あはは。お菓子を食べてお茶を飲んだら「帰ります」なんとせわしい。