「することない」

 ばあちゃんがステイから帰ってきた。今日は「エネルギーあふれる」感じだ。「どないすんねんや?」と言いながらトイレに行く。着替えさせておやつにする。食べ終わって、私がばあちゃんに背中を見せ、食器を洗っていると、ばあちゃんは「なんにもすることないんやったら、ちょっとおしっこ、行ってきます」と、わかったような、わからんようなこと言って、出て行った。
 台所は閉めておいて、洗濯物をたたんでいると、ばあちゃんはうろうろしている。帰ってきて、まだ30分しかたっていない。「な〜んにもわからへんのんやからな。おばちゃん、どないすんねんや?」と言っては、トイレに入り、出てはまた言う。もう、畑に行くしかない。
 犬と畑に行く。道を歩いていると「おばちゃん、ここから上、あがんのんちゃうか?たんねとんねんや。(たずねているのよ)」と言う。もたない。「なーんにも言わんとな〜 ひとことも言わへん」とぶつぶつ言う。しゃあないね。元気である。「ごー ろーく いち にい さん。 ごー ろく」と数えながら歩いている。
 畑に着いた。草は引いてくれる。しかし、私についてくるから、触られたら困る所へも来るわけだ。どうでもいいような場所の草を引いてもらっていたが、その草を置く場所が困る。「畝に上げて広げて」と言って、やってもらうが、見ていないとできないね。