もう、一人では外に行かない

 食べ終わり、私が外に出ると、ばあちゃんは「どこまで行きます?」と言う。ついては来ないで、部屋に行ってしまった。ベランダの物干しに干した古い毛布をとりこんだ。育苗箱の温室にかけていた古い毛布を、干していたので取り込んで倉庫になおした。ごくろうさん。また来年まで待機していてね。
 家に戻るとばあちゃんは布団で寝ている。寝るか?仕方ない、ほっといて畑に行く。なんきんを植える。昨日の雨で畑はグチャグチャだ。谷に水がたまるぐらいに降ったので、歩くとグチュグチュ、長靴に泥がつく。
 苗箱に水をかけてやっと家に帰る。ばあちゃんはうろついている。夫が言うには「お前が出るとすぐに起きた。こっちにも来たが、すぐに自分の部屋に行った。布団に入っていた。もう外へは行かないよ」
 そうか、行かないのか。私が連れて行くと畑にも行くけど、一人では行かないもんね。診療所にも事務所にも行かなくなった。連れられるがまま...だ。