「胸が苦しい」   

 デイに行くつもりだった。起こしに行くと、うんちは出ているし、パジャマと枕の下に嘔吐したあとがある。後始末ににひまがいり、迎えに来られたが「できてませんので、連れて行きます」と言って行ってもらった。
 朝ご飯も減らしたのに、元気がない。診療所に行く。
 今日は所長の女性の先生だ。巨大写真の「ばあちゃん紙芝居」をする。「私の写真を見て『私です〜』と言うんです」と言うと「ばあちゃん、若くなったんだ」あはは。そうかも?
「下痢4回、嘔吐1回」と言うと「デイは休んで家で寝ていなさい」と言われた。
 診療所から帰る。行きは送ってもらったが、帰りは歩きなので大通りを下りたら「どこ、行きますねんや?」と言う。こんなときは無視して先に歩くとついて来る。
 情けない顔になり「胸が苦しい」と言う。ずいぶん古い話、ニトロ舌下錠を持ち「舌の下に入れる頓服」と言ってなめていたっけ。狭心症を忘れて久しいよ。「こんな苦しいこと、おまへんな」と怒る、怒る。「こんな苦しいと、死んでしまいます」と言う。怒る元気があるうちは、死にません。べっちょおまへん。
 途中、バス停のベンチに腰かけてしまう。ほっておくと動かないので、連れにもどる。文句言いながら帰る。「下痢には水分補給」なので、スポーツドリンクを飲ませる。