また夜中

 ばあちゃんが廊下をやってくる。「あ〜あ〜」じゃなく「が〜が〜」と言うぐらい、声がかすれている。まったく、なんでこんなにエネルギー満点なんだろう?夜ぐらい、寝ろ!
 寝そうにないのだ。トイレに入ったので覗いてみる。だって、トイレと洗面所の仕切りの戸も、入り口の戸も開けっ放しなんだもの、丸見え。よそ行きの服を着ているらしい。出たので、手を洗わせてよく見ると、合い物のスーツを着ている。
 部屋に行く。スーツの下は、上半身が裸!下半身は、ストッキングの上にスカート!なんだ、これ?紙パンツとパンツは重ねてぬいだまま、ゴミ入れに入っている。着ていたブラウスはたたんで衣桁にかけてある。パジャマと紙パンツを持ってきて着せる。はいていたもんぺが無い。タオルケットも無い。私のを持ってきて着せる。「黙って!」と言うと、すぐに寝てくれた。やれやれ。3時半であった。
 朝、ばあちゃんがデイサービスに行ってから、洋服箪笥を開けてみると、もんぺはたたんで右側のスカートの下に、タオルケットはたたんで左側の上着の下に置いてあった。
 紙パンツは飽和状態だったので、おしっこに起きたばあちゃんは、パンツを脱ぎ捨て、おいしれを見たが、着る物がなく、箪笥を開けてよそ行きスーツを出したのだ。推理はできたが、あとのまつり!