水の飲み方を忘れる

 今朝のばあちゃんは一段と変だ。トイレに行き、洗面のあとは、台所に来て水を1杯、なのだが、水の飲み方を忘れたようなのだ。小さなコップなので、しっかりくわえて飲まないとこぼれるし、口に入らない。ごっくんと飲み込むのが、なんだかあやしい。「飲んで!」と言わねばならなかった。
 朝ご飯の食べかたを忘れることはよくある。口に入れる、とか、噛むとか、飲み込むとかを忘れているように見える日だ。夕食から朝食まで14時間もあいていれば忘れることはよくある。それが「認知症」というものだ。