5時

 ばあちゃんは夜中も「あ〜あ〜」言っていたが、朝5時に廊下に出て来た。まずい。「6時から初詣に行こう」という約束になっている。とりあえず、寝かそう。ばあちゃんをつかまえ布団に一緒に入る。「こらえておくなはれ」と言うのを無視してばあちゃんを窓のほうに向かせ、私も同じ方向を向く。電気毛布の温度を「適」にしているが、熱いぐらいだ。ばあちゃんの体というか、パジャマが冷えていたが、だんだんぬくもってきた。足は足袋を履いているらしい。
 ばあちゃんと呼吸をあわせて、しばらくじっとしていたら、もう何も言わなかった。赤ん坊のように寝ていれば納得するのか。寝ていなくてもほって布団から出る。