ベガーズオペラ

 ばあちゃんを送り出して大阪に着いたのが11時過ぎ。梅田芸術劇場の表でパンを食べていたら、鳩がやってきた。1つちぎってやったら、たくさん群がってきそうだったので、そこでやめた。
 中に入る。コープの割引きチケットを申し込んだら送ってたのが「5列47番」だった。図で見ると前から3列目だった。すごい!こんな席にあたったのは初めてだ。嬉しい。
 入ってもっとびっくり。舞台の上の左右に木のベンチが並べてあり、そこにもお客さんが案内されて座っている。え〜!「あそこ、座れるの?どうやって選ばれたの?」って訊こうにも、単独行動の好きな私には訊く相手がいない。さすがにここでは、初対面の人と友達になれそうにない。しかたなくまたロビーに出てプログラムを買ってきた。
 始まる前に近藤洋介さん扮する老役者さんが舞台上のお客さんに箒を渡して掃除を命じる。そして「今日はこじきの一座に劇場を貸したのに、まだ到着しない」と言われる。怒ってる?役者さんたちが後ろの扉から入場。この席はすごい。高嶋政宏さんも森公美子さんも素敵!よ〜っく、見える。
 話の筋は省略。「ベガーズオペラ」と検索すれば、ファンの方が書いておられるページに行けますからどうぞ。
 よく見えたのに感激。
 幕間にトイレから帰ると、ベガーズたちがプレゼントをもらっておられました。「ベガー」は「物乞い」です。「こじき」ではありません?誇り高きベガーです。そういえばバレンタインデー。高嶋さんが二人の手を取って、舞台の右端の先ほど役者さんが歌っておられた席に案内するじゃありませんか!それ、何?って、今、プログラムを見たら「バルコニー席」というらしい。それこそ、どうやって選ばれた二人?
 2幕目が始まるときも「お客様、ベガーズにいろいろめぐんでいただいてありがとうございます。大阪ですね。飴ちゃんが多い。こら!そこ、何してる?」「苺が美味しい」「芝居だ!」という感じ。
 3幕目、内野聖陽さん扮するマクヒースが捕らえられ絞首刑になる。ほんとに首に縄をかけられ、頭に袋をかぶせられ、台の下の板が開いて絞首刑人形がぶらさがるのだ。胸がつぶれそうだった。そこへ、老役者さんがとんできて「オペラだ!ハッピーエンドでなくちゃならないんだ!」と言われ、皆が「恩赦!恩赦!」と叫ぶと内野さんが帰ってくる。あ〜、びっくりした〜。知らずに見るものじゃないねぇ〜。
 そこへ橋本さとしさん扮する作者が「何だ!これでは『貧乏人も金持ちも悪事を働く。しかし、罰を受けるのは貧乏人だ』という私のテーマが台無しだ〜」と叫んで、舞台を駆け下り、後ろの扉から去って行く。あ〜、これがテーマだったのか〜と思うと、涙が出てきた。ほんと、そのとおりだ...
 見てよかったが、ほんと、しんどかった〜。