水ぬるむ

 句会だとわかっているのに、句が作れない。
 行くと友達が来ていない。携帯で電話する。「皆、待ってるよ」と言うと「えっ?今日だった?」「そうや。先月『3月は第3週が祝日で、第2週にくりあがるのね』って言いながら帰ったやん」と言うと「あかん、ぼけてるわ〜」だって。皆が「えっ?千葉にいるの?お母さんも?」であはは〜、おほほ〜。欠席でした。
 
 私の句は 
 水ぬるむ鯉のあぶくもほわほわと
 行く前のバスを待っているとき、尼崎の川の水も浅いし、綺麗とは言えない土を掘りながら、鯉がぶくぶく泡をたてていた。ほんとにでかい鯉が5匹。皆さんの話では、昔、鯉の子を放流した。小さいときにゆりかもめに食われてしまった。残ったのが大きくなって、あの大きさではもう食われない。へ〜。鯉の話だけでずいぶんいろいろなことがわかった。ユリカモメは冬の季語で「みやこどり」と同じものだそうで、それも知らずに、ほんとに、知らないことだらけ。勉強はたりないが、自分の領分でないところなのだから、しかたがない。こうして教えてもらってわかるので、欠席せずに出ることが勉強だ。「仕事はあるわ、ボランティアはあるわ、いつも休んですみません。知りませんでした。」と言う紳士が隣の奥様に「だから来ないとね!」と言われて...とほほ。

 皆さんの句で私が気にいったものを書いておく。
 
 黙礼の名前忘れし東風の影
 啓蟄やありたけの身を伸ばしいる
 水温む弱音の母にめぐる歳
 弥陀仏のかんばせ美しき春の疵(かんばせ はしき、と読む)
 啓蟄や答を喋る電子辞書
 啓蟄や貝殻ひかる古墳口
 一番機飛び明け染める春の海
 春宵やカクテルゆっくり揺らしみる
 川の水芹の緑は流れ止め
 啓蟄の頃にお目見え待たるる児
 グーチョキパーリズム体操老いの春
 啓蟄やその空洞に光り満つ