同情されてしもうた

 デイに行く。玄関は開いている。チャイムを押したが、誰も出て来てくれない。勝手に入って、エレベーターで上に行く。皆、座ってくつろいでおられた。
 ばあちゃんの「指定席」は畳の上だった。奥のロッカーにもたれて足を投げ出して座った。お茶とコーヒーが出てきた。「おつゆか?」と言いながら飲む。ばあちゃん紙芝居をまだ見てもらっていなかったので、やってみる。「これ、誰?」「わかりません」「応接間のばあちゃんは自分だと思っているけど、畑のばあちゃんはわからない。つまり、畑が嫌いらしいですよ」と言うと、ぼけてないばあちゃんたちを笑わせたつもりが「大変やな」と同情されてしもうた...