戦利品 久々に

 ばあちゃんがデイから帰る。ベテラン女性スタッフ2名が送ってきてくださった。「今日はご機嫌でした」と言われて、送迎車は帰って行った。が、見ると、かばんが間違っている。あわてんほなんだな。でも、私も色が同じで形も似ていたので、気がつかず、申し訳ないことをした。
 ばあちゃんは「迎えにくる」と必死である。「座って」と言って座らせたが、なんか、ズボンの前を押さえている。「おしっこ?」と訊いても違うらしい。ガシャガシャ、音がする。ポロシャツの中?プラスチックおもちゃだ。「もぐらたたき」の「もぐら」かな?まだある。楽器の「鈴」だ。まめなこと。
 こんなときの時間つぶしは墓参り。嫌がる。すごい抵抗する。後ろから押しても「動かんぞ」という感じだが、家にいても興奮はしずまらないから、なんでもかんでも出るしかない。
 墓に上がる坂道は、白い蝶の群れだ。松やら桜やら、どの木にもヒラヒラ、ヒラヒラ... 蛾かも?こんなとき、恩師がご存命ならすぐに教えてくださるのに...