畑に上がる道、栗が落ちている。探すと、ほとんど食われている。もう何日も猪君が通ってきているらしい。無傷なのは今朝から落ちた分だ。
 猪は栗を食っている間は畑を荒らさない。取引するか?「大難は小難に、小難は無難に」これは神道のおがみばあちゃんの教え「実をとる」これは弁護士さんの教え。
 このごろ、自然相手にむやみに戦わないのだ。「キウィの木をもらったのよ。雄か雌か、どちらかが枯れてばあちゃんは怒って切ってしまった」と言うと教え子が笑う。「すももの木をもらったのよ。実がなったら、カナブンが来て汁を吸うので、ばあちゃんは怒って切ってしまった」と言うと「また〜」と教え子たちが笑う。ばあちゃんは強烈なんだから。