ケアマネさんの訪問日

 ばあちゃんはデイから帰り台所にいた。
「お客さんやで」と呼んで、一緒にばあちゃんの部屋に行く。ベッドに行って「ばあちゃん、ここに乗って」と言うとよじ登った!あはは。横向けに乗ったり、まっすぐ登ったり、いつもいろいろである。「頭、ここ」と枕を指差すと、右を下にしてえび状になった。「起きて」と言うと...動かない。昼寝したかったのかも知れない。「おやつにしよう」と耳元で言うと、むっくり起きた。
 寝たり起きたりに、手は貸さない。トイレに行くときも、私が先に立って歩くとついてくる。下手に手を出すとこけて怪我をする。もっともばあちゃんの腰を持って押すと、体重を後ろにかけてくるからこけないのであるが...
 ケアマネさんに「ベッドが高いからおりにくいので、マットレスを捨てようかと思う」と言うと「落ちますか?」と訊く。「1回」そうだ、落ちたっけ。下が畳だから怪我はしない。「のぼれるからこのままでいいと思います。低すぎると立つときに膝に負担がかかります」と言われる。プロの意見だから納得。
 応接間に行く。「ハッピーそよかぜ」新品を試用する。「あ〜、これですか〜?安永道生さんの講演会に『ハッピーそよかぜ』さん、来ておられましたよ」と言う。寝てみてごらん。
 「ばあちゃんとすももの早わかり・たたかうおばあちゃん71号」の原稿・挿絵描きかけを見せる。大きく焼いた写真も見せる。10月・11月のステイの申し込み。書類の捺印。使用済み封筒の返却、もったいないから再利用。
「ベターケア」と「ブリコラージュ」最新号を見せる。「『かいご学会 in 西宮 2008』の話。
 ばあちゃんはジュースを飲んでおやつを食べて、また手を出してくるので、子供用の小さなビスケットを渡す。おとなしい。??不思議なぐらいおとなしい。
 「ベターケア」誌のばあちゃんの取材写真を見る。「ばあちゃん、これ、誰?」「おばちゃん」「これは?」「おっちゃん」あかん、もうどれを見ても自分だと思わないし、他人の見分けもつかない。やっぱり取材は去年でよかったのだ。
 古い誕生日カードを出してみた。平成12年からデイに行っているのだ。「若い!」ばあちゃんもとなりのばあちゃんもスタッフの皆さんも...うふふ。「心臓手帳」も出てきた。平成11年1月であった。