サービス担当者会議

 ケアマネさんはばあちゃんから見ると孫娘、AデイサービスとCステイの主任さんは孫息子、Bデイサービスの主任さんは末っ子ぐらいになるかな?ばあちゃんを囲んでぐるっと座る。ばあちゃんはおとなしい。お茶を飲んだり、飴を食べたり、時折りBさんの袖を引っ張って何か言うぐらい...そのうち、こっくりこっくり、居眠りをしそうになった。ケアマネさんと「あれ〜?いつもと違いますね...」
 ばあちゃんは集団が好きなんだ。Bさんが「L字型の机に、誰かが横に座っていると、落ち着いて過ごされます」と言われた。ステイでも同じらしい。
 私が「ばあちゃんはステイから帰り、5時ごろになると『帰ります』と言うし『どこへ?』と訊くと『上』とステイの方を指差して、ステイが家になっているみたいです」と言うと「いや、家は家、とわかっているようですよ」と言われた。そうかな〜?ばあちゃんは「誰もおらへん」と言って、私の頭を通り越して誰かを探すのにな。私はへこむよ。
 こうして、3箇所の方に来ていただいて聞いてみると、皆「へ〜、そうですか〜」と言うぐらい、ばあちゃんの態度が違う。例えば「歩行」でも、今でも脱走するぐらい、たったか、歩くが「歩き始めは...」と言うのは「日本語が通じない」ので「歩く?何のため?」状態なのだろう。「見守りが要る」って、ほっといたら、どこかへ行ってしまうものね。
 ケアマネさんが「ばあちゃんの今の機能を少しでも長く維持したいので、各施設で歩調をそろえようと思いましたが、こうして聞いてみると、それぞれ違っていてもいいのだと思えます」と言う。他の人は「それぞれの場所でその場に合わせて行動しているので、問題無い」と言う。つまり「使い分けてしたたかに生きている」ということだ。順応性がなければ、ぼけて90歳をすぎてまで生きてこれなかっただろう。自信持っていいのかな?
 また「お風呂でも、初めは『何するねん?』という感じですが、入ってしまえばゆっくりつかっていて、上がれば満足して『ありがとう』と喜ばれます」と聞くと「ばあちゃんは『ありがとう』と言うのですか?」と聞き返すほど意外としっかりものを言うのだ。これは嬉しい発見だった。

 終わってほっとしたが、こうしてプロにずらっと並ばれるとかなりのプレッシャーだということだけはプロの皆さんに言っておきたい。