とんど

 親神社のとんどは朝早い。4時から祝詞をあげる。3時に起きて外に出たら、雪がちらちら、道路にもうっすら積もっている。行くのはやめた。
 村の氏神さんは午後1時集合なのに、行ったらもう、組み立てかけていた。宮守当番がはりきりやさんなので、中心の竹もまわりを飾るしのべ竹も早くから集めていたのだ。
 組み立て終わるとさっさと点火するのだから...参拝客が間に合わない。「よその人なんか知らん」と言うのかしらん?でも、続々と来る。ほとんどが新しい住宅地の老人クラブの人たちだ。中には「もうよう行かんから代わって」と言って若夫婦にゆずった家もちらほろ...
 最初はパン、バチバチッと威勢がよすぎる。爆竹を入れたのだろうと思う。竹だけではこんなにはぜらない。燃えるのが速い。こわい、こわい。山が燃えたらどうするの?途中で縄が焼ききれて、バサッと崩れた。幸い、まっすぐぐらい下に落ちてくれてほっとした。どちらかに傾いて倒れたらどうして逃げようかと思った。
 焼け落ちても竹ばかりで炭が無い。消防団のお兄さんにかき寄せてもらって、大きな網でお餅を焼いた。婦人会の人がぜんざいを作ってくれているので、それを先に焼いた。見に来た小学生に手伝ってもらって「ありがとう。はたらくって、はたにいる人を楽にさせてあげるのよ。いっぱい手伝ってくれたから今年は良いことがあるよ」と言ってあげた。まぁ「熱い!」のも思い出の一つ。
 おばちゃんたちは「美味しいね。なんでこんなに美味しいの?売ってる餅と味が違う」と言いながら、パクパク食べる。3時過ぎまで遊んだ。