究極の選択

 先週の土曜日のデイのこと。ばあちゃんはたくさん服を編んでいたと思うのに見当たらない。去年までに、私が洗濯して縮ませて捨てたかも知れないが、覚えていない。前には私のお古の白い化繊モヘアのカーディガンを着せた。パールビーズなんかついていてずいぶんと可愛らしい。
 その日は私が編んだカーディガンを着せた。連絡帳に書く。「これは私が編みました。ばあちゃんは私のを見て『おまえは手がゆるい。フガフガや」とにくたらしい批評でした。さて究極の選択です。『1.にくたらしいことを言うからぼけたのだ』『2.ぼけるならにくたらしいことを言わなければよかったのに』『3、ぼけたから、にくたらしいことを言わなくなってよかった』さて、どれを選びますか?」
 返事は「難しい選択ですね。手編みはやわらかく、暖かく、ばあちゃんに似合っておいでです」...なんとうまいお返事。「選択」がほしかったのではなく、どれぐらい、ゆったりとばあちゃんを受け止めてもらえているかを知りたかったのだろうと思う。
 続きは「今日はじゃんけん遊びをしました。つぎつぎに職員にじゃんけんをして、負けると『あいこでしょ』と挑んでおられました」負けて「あいこ」はないでしょうに...でも、職員さんとじゃんけんができるなんて...こっそり見に行きたいもんです。