起こす

 日曜日だからと寝かせていて、9時に起こすと、腰の曲がったばあちゃんでも仰向けにベタッと寝ていた。腰が伸びている!
 「お母ちゃん、こらえておくなはれ」と言う。こんなときだけ「お母ちゃん」と言えるからおかしい。「腰が痛い」と言う。「寝すぎで痛いんや」と教えたいが無駄なので黙って「起きて」と手振りでやる。ばあちゃんは手を伸ばし、頭の上のベッドの柵を持とうとする。手で引っ張り上げなくても、体を左に回転させて起きればいいのにね。下手に手を出すと危ないので、見ていて、ばあちゃんの好きなように起きてもらう。
 なんとか起きたので、脇の下を支えると、ばあちゃんは硬直したまま、体重を私の手に預けて、とことこ歩いてトイレに行く。もう「痛い」は忘れる。
 着替えて朝ご飯にして、また寝かせる。ちゃんと寝るから面白い。