市役所障害福祉課長さんからの手紙

 今日、届いたのは2回目である。
 ことの発端は、介護保険グループ長さんからの3回目の手紙であった。私が「さくら会のアンケート・インフルエンザ休業で困ったこと」を送ったのだ。それに対して「貴重な資料をお送りいただきありがとうございました。皆さんがどんなことに困られたか、よくわかりました。今後の参考にいたします。本当にありがとうございました」と書いてくださっていた。毎回「貴重なご意見、ありがとうございます」とある。回答も会を重ねて表現が軟らかく、温かくなってきた。やはり訴えれば変わる。
 そこで「実は教え子のことで悩んでいます」と書いた。お母さんからの訴えだ。知的障がいのある教え子は作業所に通っている。当然そこも休業になった。しかも「外出しないように。朝昼夜、熱を測るように」との指示であった。作業所からは電話で「熱は?」と訊いてくる。教え子は突然の事態にはなじみにくい性格である。それでも買い物にも出ずに、備蓄した食糧で親子は1週間を耐えた。その後「作業所は再開するが、公共の交通機関を使わないように」と指示された。親子はタクシーで通勤した。教え子にすれば「僕は一人で行けるのに、どうしてお母さんがついて来るのですか?」と納得できない。彼は情緒不安定になった。夜、眠れない。昼は集中できない。独り言を言う。困ったお母さんが作業所に相談するが「大丈夫ですよ」と窮状を見てくれない。ようやく精神科クリニックを紹介されて受診して薬をもらい、夜、眠れるようになった。
 それを書いたのだ。そして返事は
「平素より、本市障害福祉行政にご理解を賜り、厚くお礼申し上げます。...
 先の新型インフルエンザに対しまして、市内において感染者が確認されたことから、感染拡大を防止するため、市立施設は休業をし、市内民間施設には休業要請をさせていただきました。休業中の状況を把握するため、各作業所に問い合わせ等を行なったところ、ほとんどの作業所が休業しており。いくつかの作業所からは、お手紙にもありましたように、生活リズムが変わったために、不調をきたした利用者がいるとのお話も伺いました。市としましては、対応策としてホームヘルプの利用や場合によっては、ガイドヘルプを利用していただくことも提案させていただきましたが、ヘルパーの確保も難しい状況にあり、、十分な対応が取れなかったと認識しております。
 また、今秋にも感染拡大が懸念されることから、今後に向けて各作業所において独自に対応マニュアルを作成していただく等、感染胃拡大防止とともにできる限り安心して暮らせる体制作りに向けて、努めていきたいと考えておりますので、今後とも、本市福祉行政にご理解のほどよろしくお願いいたします」

 返事になっていない。がっかりした。介護保険グループ長の手紙に比べ、なんと熱の薄いこと。障害を持つ人や家族に対する関心・共感・同情が薄いのだ。市民に叱られた経験が無いのだろう。親からの訴えを「またか」と聞いているのかも知れない。「怒れるすももちゃん」に変身、たたかうのだ。