しゃくやく

 畑に行くと、あやめが池にいっぱい。畝には、しゃくやくの蕾がいっぱい。どちらも咲いては1日で終わる花だが、いっぺんに咲いてもどうしようもない。配るしかない。ばんばん切って、5本ずつ紐でくくり配達に行った。この土地に引越してきた人たちに配った。
 「これ、何?」と訊く。「しゃくやくよ。立てばしゃくやく、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言うと「あら、すももちゃん!」て、な〜。「お世辞言うてもあかん。こんな太い百合はない!」(私が太いから)
 でも花をもらって嫌がる人はなく、みな、喜んでくれた。久し振りに会うひとも笑顔になった。