海!

 今日は船に乗って網を引きに行った。
 企画はつねあき君である。家族と友達という12人の団体だ。車が3台。そのうちつねあき君の孫が3人で、仲良く遊んだり、泣いたり、にぎやかだった。
 行き先は岡山県日生(ひなせ)という所だ。山陽道を走って行く。日生に行くと、地元の人はきっちり時速40kmを守るので、遅く感じるが、感じる我々の方がおかしいのかも知れない。せっかちな関西人だ。「いらち」とも言う。
 「雨でも行くの?」と昨日、問い合わせたら、つねあき君が「行くの!屋根があるよ」と言う。テントのような屋根で、両横には幕のように張ってある。でも舳先からは風に乗って雨が吹き込むし、船が揺れたら、ザバーッと波が飛んでくる。
 子供たちは喜んで、前に行ったり、後ろに行ったり、操舵室に入ったりしている。
 「いけす」のたこをあげてもらって、切ってもらって、食べている。動いているんだもの、新鮮!美味しい!エビも動いている。私は「山の子」なので、船が珍しいし、網を引くのが初めてで楽しみだった。
 船は揺れたが、後で網を下ろすのを見ていたり、巻き上げるのを見ていたり、舳先で行く先の島々を見ていると、船酔いはしなかった。じっと腰かけている友達が船酔いをした。好奇心こそが船酔いに勝つのだ。雨はたいしたことなかったし、とても楽しかった。
 しかし、船長がおっしゃるには「だめだ、くらげが入って網が重たくてしかたない」。上のほうはくらげだらけだ。ときどき、ひとでが見える。それでつねあき君と船長の二人が懸命に網を巻き上げようとしたが、網が一部、破れた。あきらめて「もう、捨てよう。今日はあきらめよう」になった。
 網の下の部分には魚も入っていただろう。船長さんは「こんなにくらげの多いのは初めてだ」と言われた。しかたないよ。百姓も「お天道様のおかげ」だ。海のことは、もっと自然の神様のおかげに違いない。海の神様か?