「仙厳園」

 最初の見学地は「仙厳園」別名「磯庭園」と言う。若い女性のガイドさんがついてくださった。島津のお殿様の別邸だそうで、南に見えるお城から、お殿様は舟に乗ってみえたそうだ。左に桜島が見える。「今年は噴火が多い」と言う。見ているうちに白煙がモクモク沸いてきて、灰色に変わり「あ、噴火だ」とわかる。
 庭園は中国の庭をまねて作ったそうだ。高い岩肌に「千尋巌」という文字が見える。3文字で11メートルの長さだとガイドに書いてある。「あんな高いところにどうやって彫ったのだろう?」と言う者あり「それは、足場を組んで彫ったのだろう」と言う者あり、さすが、物を作る現場の者がいる同窓会は、話題もひときわ変わっている。「どうやって作る?」「材料は?」などという話になる。
 島津のお殿様の大砲がある。鉄製の150ポンド砲だそうだ。「いったい南メートル飛ぶと思われますか?」とガイドさんが尋ねる。答え?書いたのに、そのガイドが見当たらない。つまり、忘れてしまった。あ〜あ。
 その時代の衣装を着た家来達に扮した方々の行列が通る。色鮮やかで面白かった。
 昼食の前に、桜島を見ながら、友達が「どっちが南?」と訊く。「桜島が東で、仙巌園が西、海が南よ。太陽が出ているでしょう?」と私が言うと、「よう把握しているなぁ。女性は地図が苦手だろう?」と言う。鹿児島に来る前に、ガイド本を買って勉強したのよ。プランを立てる必要もあるし、もともとガイド本が好きなのよ。「女性は地図に弱い」わけではなく、連れて行ってもらうのに慣れている人がいるだけよ。自分で地図を見て行きたい人もいるわよ。個人差の範囲よ。