「介護保険って何?」

 講座に誘われたので参加した。
 「シルバー人材センター」が主催しているシリーズで、前回は「認知症」だったそうだ。
 受講者は40人ぐらいで、年齢は65歳以上だろうか?
 男性の方が多い。
 講師はケアマネさんだった。看護師をしておられて、訪問看護師になり、2000年の介護保険スタートのときに「新しい資格ができる」と聞いて、ケアマネ資格を取った。それから、地域包括支援センターのケアマネになり、特別養護老人ホーム生活相談員やら老健の相談員などをして、今はヘルパー派遣事業所の管理者と言われた。
 経験豊富で話は上手だった。
介護保険」という、西宮市発行の冊子を一人ずつに配り、コント「妻が脳梗塞で入院、左の片麻痺、退院後の生活はどうなる?」までやってくれる。
 車椅子の妻役は職員さんで、車椅子を押す夫役は元市役所の偉いさんだから、「私は元気で、飲む打つ買う」
「え?」ときくと「薬を飲む、点滴を打つ、健康補助食品を買う」だと言う。下手なネタ。
 掛け合いで「介護認定」「住宅改修」「ヘルパー利用」「介助用品レンタル」の説明。なかなかうまい。講師が慣れておられるから、理解しやすい。
 一時間ぐらいたつと、話す方も聞く方も疲れてくる。
 肩回し体操などやって、「介護の基本は、食べることで、食べる前に肩回しと口の運動をする」など、今日から役にたつ知識。「のどに詰まるのを防ぐには、小さな口でゆっくり食べる」。これも役にたつ。
 そろそろ、受講者がしゃべり始める。
「質問、こういう時は?」「あー、いい質問ですね」と、次に持って行く。このあたり、うまい!
 残り20分になると、質問の時間。
「ケアマネのランキングはないのですか?」とおじさまがきく。苦労したのかな?
「ありませんね。我々は研修会をするのですが、良いケアマネは受けに来ます」「市役所に行って、良いケアマネを聞くのはどうでしょう?」と言う人がいると、講師は「ケアマネがだめなら代えてください。地域包括支援センターで聞いてください」と言われる。その地域包括支援センターがへぼいのに、わかってない。個人的に、いい人、と仕事ができる人は違う。力量が足りない、と言っているのよ。
 私も発言。「母はデイサービスと月に半分のショートステイをとりましたが、支給限度額に収まります。」「次に、ショートステイから帰ると、行く前よりも状態は悪くなります。また元に戻すのに時間がかかります。それは知っておいてください」と言うと、講師も受講者の何人もが、「そうだ」と頷く。
「もう一つは、市役所に認定申し込みの電話をする前に、まず、メモを書く。あれが困る、これが困る、と書き出してから電話をする」と言うと、講師は「ご本人は、ええかっこ、しはるんです。『できます、できます』、言いはります。けど、認定調査員は心得てますから、終わってから、『奥さん、ちょっと』言うて、呼んで、『ほんまですか?』と聞きます」と言う。
 あのね、確かに、私も認定調査員さんに、「その日記、見せて」と言われて、特記事項を書いてもらって、無事に認定されました。だからこそ「元帳を書きなさい」と、人に勧めるのです。それに、書くことで、整理がつき、自分の頭が明確になります。講師さんも「それはいいですね〜、皆さんも是非、やってください」と言ってください。
 それ以後も良い質問がたくさん出た。
 終わる前に私が「ケアマネさんですが、皆さん、こんなに勉強しておられるから、ケアマネさんに教えて育てるという手がある。それでだめなら代えたらいい」と提案した。
 これは、講師さん、だめのようですね。「そうです。皆さんは豊富な人生経験で、我々、ケアマネを育ててください。私たちも頑張ってご期待に添えるようにします」と言わなくちゃ、ね。
 自分の仕事はプロでも、相手の利用者から学ぶことは多いと思います。
 多分、利用者や、講座の受講者から、こんな意見が出ようとは予測していなかったのでしょうね。