「発達障害」

 私は今、中学校の「学校協力員」をしている。週に1〜2回出勤し、3時間の勤務である。特別支援学級の補助をする。畑に苺や玉ねぎを植えたり、国語や数学など、教科の勉強のマンツーマン指導もする。知的障害のある生徒は、一人ずつ、できることやできないことが違うので、日々、新たな発見があり、楽しいことが多い。
 学校には、別に「特別教育支援員」という先生がいて、週に20時間、つまり月曜から金曜までの毎日午前中の4時間の勤務と聞いている。この先生は、普通学級にいる「特別な支援のいる生徒」を補助する。いろいろな場合がある。
 今は「発達障害」のある児童・生徒の支援が言われている。
 このお正月に、私の元の教え子から電話がかかってきた。担任したわけではなく、短い間のお付き合いだったのに、よく思い出してくれたなぁと思う。
「電話をしたのは二度目です。もっと若い時でした」と言うので、あ〜、そうだった、と思い出した。今回は、ネットで私の名前を入れて検索したら「たたかうおばあちゃん」ブログが出てきたのだと言う。それから本「たたかうおばあちゃんが行く!」を買って、電話番号を調べてかけてきた。「若い時に、仕事がうまくいかなくて、人付き合いにも悩んでいたら、最近、病院に行って『発達障害』だと診断されました。病気だったのだとわかると、ほっとしました。私の努力が足りないのだと、自分を責めていました。そうではなかったのです」と言う。
 知的な障害はないのに、人とテンポが合わない。辛くてたまらない。今は、こういう「発達障害」の人達を早くにみつけて援助して、将来の職業や生活に困らないようにしてあげようというのが「特別支援教育」である。職業について納税者になってもらうのと、「障害者」と言われ、「障害年金」をもらってくらすのとでは、その人の人生が全く違うものになるし、社会にとっても大きな利益であろうと思う。皆さんの周りに、そういう人がいたら、その人の障害を「個性」と見て、温かく見守ってあげてください。