NHK Eテレ「きょうの料理」「実山椒の炊き方」

 私が送った文

ご意見
  おかしいところが二つありました。 問題は9時10分からの「ミニコーナー」です。
  ひとつ目は、山椒は雌雄異株の木であることを言わないから誤解を招くこと。
  もうひとつは、山椒の実の鮮度で「指先で割って中が白いなら若い。黒いのは古い」と言う点。
 順に行きます。
  花山椒を摘み取っている西宮市山口町船坂の中尾悦子さんは「山椒の花は一年のほんの数日間咲くんです。寒かったらじっとしているし、暖かくなると咲く。見極めが難しい」と言う。
  じつは花山椒の木に先に蕾が出て、その後、実山椒の木に蕾が出ます。咲いてみないとわからない。花山椒は雄なので、咲くと、ゆりのような、おしべが5本出る。実山椒は、角が2本出る。
  花山椒は蕾が開く前に摘み取らないと商品価値がない。
  農家の人だから、蕾を食べる花山椒と、実山椒が別の木だということは知っているはず。でも「雌雄異株」だということは知らないかも知れない。私も知ったのは、児童用の図鑑で、「地域の動物ものがたり」を書いているときだから、50歳を過ぎていた。「この年になるまで知らなかった〜」と言うと、先輩に「知らずに死んでしまうより、良かったじゃない」と言われた。
  Eテレに戻る。
  佃煮屋の川上商店のあるじも「山椒は最初は花を食べて、次は葉、それから実、最後は木の皮を食べる。捨てるところがない」と言う。 これも、季節を追って述べているだけで、内容が間違っているわけではない。ただ、雄の木と雌の木があることを言っていない。 連続で花から実がなるように聞こえる。悪気は無いだろうが。
  押さえるべきポイントを知らないNHKが悪い。植物学者に監修してもらうべきだと思います。
  次に、実山椒の鮮度は間違いです。
  実を割って中が透き通っているのがちょうど良い。白いのは固くなりかけ。実を取り終わって、木に取り残したのを夏になって、ひとつかみ取って、茄子をゆでて山椒和えにする頃も、実の中はまだ白い。 秋になって実が赤くなったら、中は黒くなると思う。鳥に食われて、糞に混じって遠くに運ばれ、そこで芽を出す。「うちの山椒は鳥の置き土産」という人もいる。
テレビは1日張り付いて取材して、2分か3分の放送だから、どこを切り取り、どの発言を採用するかで、全く違う作品になる。今回のような、いい加減な作り方だと、他の回の内容まで疑われてしまうと思います。