お葬式

  10時20分に着くと続々と人が来た。消防団の副分団長だったのだ。制服姿の団員が並んだ。
 青年団のリーダーだったそうで、はっぴ姿の若者、小学生から大人までが並んだ。
 親戚も仕事関係もたくさんの生花を供えておられ、私達同期生は樒を供えた。代表焼香も多数…「中学校同期生ご代表」と呼ばれ、あわてて二人で出た。心構えをして皆で出たらよかった。
 喪主は長男さんだが、ご挨拶は奥様だった。大きなよく通る声だ。
「お祭りの好きな男が逝きました。『お祭りと私と、どっちが好き!?』と聞くと『お祭り!』と言う人でした。・・・
太く短く生きた人でした。・・・俳句・秋祭り日本酒飲みすぎ車椅子。お祭り好きな男がいたことを忘れないで下さい!」
 最後のお別れをした。家族、親戚、ご近所、友達、消防団青年団の皆が次々に花を入れ、泣いている。子や孫の年齢だ。こんなに慕われていたのね。「お祭りのおっちゃん!」だったのね。
 棺は本堂の中では孫たちがかつぎ、境内におりると青年団の手に渡った。外に出ると、前の道にだんじりが出て祭囃子を演奏している。にぎやかな祭り囃子がやまない・・・。こんなお葬式は初めてで、感動した。涙、涙だったけど…。さいごに立ち会えてよかった。