弁慶草

 弁慶草も学校へ持って行った。じつはご近所の「猫の手お母さん」に乗せてもらって、先に小学校に行った。20本くくり、8本くくり、ぐらいの束だが、けっこう大きいので、先生が「わ!」と驚いて下さった。次に友達に届け、中学校の事務室に行った。「懐かしいなあ〜」になる。
 昔は父母が商売で栽培していた。直径15センチ、丈60センチぐらいに育つと、西宮花市場に出荷した。この大きさだと50〜80円で売れた。朝5時に起きて、切ってトラックで持ち帰り、葉を取り、白菜の空き箱に50本ずつ詰めて、夕方、市場に運ぶ。
 父が行けなくなってからは、夫が出勤前にトラックで持ち帰り、母と私が荷造りし、夕方、帰宅後の夫と私が市場に運んだ。9月になると2日おきにこの繰り返し、貴重な現金収入だった。トラックいっぱいで、箱は20ぐらいはあった。もちろん、花は大中小に分けて入れて、値段も違うし、初期は高いが、だんだん安くなる。9月は花が少ない時期で、初期は生け花の先生に喜ばれた。今は輸入の花があるから要らないかも?

 9月は忙しい!昔はよう働いた。若かったからね。
 ばあちゃんのお友達に持って行くと「挿し木する」と言われた。簡単につく。ただし、春から小さな虫がきて、てっぺんの芽を食べてしまう。殺虫剤の出番ですね。美味しいのだ、きっと。てっぺんを食われると、下から脇芽が出る。それはそれで味があるが、売り物にはならない。