「福島から東京へ…広域避難者たちと歩む」東京災害支援ネット・とすねっと著山吹書店 2013年

第1部 当初の東京避難事情…炊き出しと「とすねっと通信」
1.避難所生活支援のはじまり「あったか炊き込みごはん」差し入れ作戦@東京武道館
2.被災者に情報を届ける「とすねっと通信」
3.避難所に食事が出て、ボランティアが入れるようになるまで「とすねっと」最初の一週間
4.臨海の避難所東京ビッグサイト
第2部第2期の東京避難所事情「とすねっと」の相談活動とニーズ調査
5.赤プリ離乳食事件、世界最高☆豪華避難所事情
6.出番です!生活相談に従事した弁護士たち、赤プリと東京セントラルユースホステル
第3部苦悩する避難者たち
7.広域避難者110番
8.行き先が決まらない
9、いわき避難所閉鎖問題

第4部住宅に移った避難者たちと「とすねっと」の生活支援
10.6.17チャリティデイから本格的な生活支援へ
11.ロード・オブ・ザ・生活支援
12.子ども支援のはじまり、子どもたちとおとなたちの日常を取り戻す、その1
13.きらきら星ネットの設立、子どもたちとおとなたちの日常を取り戻す、その2

第5部とすvs東電
14.「とすねっと」内幸町へ、東京電力への要請行動
15.東電「中間指針」への対応
16.被害者の声から、福島原発事故がもたらしたさまざまな被害
17.わずか40メートルの差で…ひと・地域のつながりを破壊した「線引き」
第6部、広域避難における支援の課題
18.声を上げよう!3.20広域避難者集会
19.広域避難における支援の課題20.終わらない避難者の旅によりそう


読んでびっくりした。東京武道館に避難した人々に対して、支援がなされていない。
武道館の職員は「避難しているのは、福島原発の事故が起きたので、一時的に自主的に避難しておられる方たちです。影響が落ちつけば、戻られる予定です」
「みなさん経済的にも生活の面でも自立しておられるので、生活に困っている方ではありません」
「みなさん生活には困っておられないので、食事は自費でまかなっていただいています」「このあたりは、商店街も飲食店もありますので、食事は十分にしてもらえます」
「パンと水は無料で提供しております。好きなだけ召し上がっていただいています」
「生活に問題のない方たちが一時的に避難してきているだけなので、とくに生活支援などはおこなっていません」
「私たちは、通常はスポーツ振興局で仕事をしており、スポーツ施設を運営することが仕事です。生活面の対応についてはまったく専門外ですので、どのようなニーズがあるのか、分かりません」「避難所内の居室スペースは、とくに仕切りというものはありません。卓球用のボール飛び散り防止の小さな仕切りで、一世帯ずつ囲っております」
「お風呂はありませんが、シャワー室がありますから、交代で使っていただいています」「毛布はお一人一枚のみ配布しています」
「衣類の提供などはしていません」
「ボランティアは受け付けておりません」
「物資の受付は受け付けておりません」
 これが、3月19日の東京都の対応だった。こんな状況では、避難世帯の生活があぶない。みんな生活に困ってしまう!

 長々引用したのは、これが東京都の避難所?と思うからだ。ひどすぎる。
災害時に、普通に学校に避難したら、先生初め、地域の人たちが支援する。ボランティアも物資も来る。炊き出しも来る。そういう支援を受けながら、避難者たちは、自宅を片付けに戻ったりしていく。避難所の生活も自主的に運営するようになる。
 東京都の対応も足りないが、現場の職員は、ずいぶん想像力のないものだと思う。
 とすねっとは、震災や原発事故で避難してきた人たちをサポートする法律家・市民の有志であるそうだ。その時その時に、してほしいことを聞き取り、できることをしていく。